「自分を救うもの」
以前に、プロフェッショナルという番組を見ていたら。
漫画家志望の子に編集さんが
「体験したことをそのまま描くなら日記と何が違うのか。
過去の自分を救える話って、どういう話だと思う?」
って言ってるシーンがあってね。
うちの場合は、その話とは逆で。
子供時代の写真については「幸福な写真」に書いたように…
「未来の自分を救うものになったらいいな」という思いが、
何となくどこかにあるみたい。
それはきっと、自分の体験からきていて。
自分が幼い頃にカメラが趣味だった祖父が沢山撮って
何冊も作ってくれたアルバムが。
こうやって、今のうちの糧になってるんだろう…。
小学生の頃はあのアルバムを眺めながら、今はもういない祖父に、母に。
自分が覚えてない、小さな頃の話を聞かせてもらった。
そんな風に家族から話を聞く時間が好きだった。
あと単純に自分の知らない自分を見るのも面白かったし、
写真をきっかけに、ふっとそれに纏わる記憶が蘇ったりもしてね。
この仕事で家族を撮るようになってから、
そういうこと思い出すようになった。
思春期過ぎてからは、綺麗じゃない自分の写真なんて
撮るのも見るのも好きではなかったけど。
あの頃は、好きだったなぁ。